河原で過ごす1日:「アウトドアで行こう」

森の暮らし, 移住・田舎暮らし, アウトドア, 執筆・メディア掲載

北海道新聞にコラム「アウトドアで行こう」掲載

河原で過ごす1日:山菜食べ体を活性化

北海道新聞釧路版のコラム「アウトドアで行こう」の連載5回目。

春の1日、仲間と河原に集まってバーベキューパーティー。
料理の主役はたっぷり収穫した行者にんにくなどの山菜。

河原で過ごす1日:山菜食べ体を活性化

毎年この時期になるとかかってくる一本の電話がある。それは野外山菜パーティーの誘いだ。
阿寒に住む気のおけない仲間達が家族連れで近くの河原に集まり、持ち寄った料理を楽しみながら春の一日を過ごすのである。
パーティーと言っても全く堅苦しいものではない。身近な食材や手料理を持ち寄り、飲み食いするだけのことだ。
冬眠から覚めたばかりのクマは、芽吹いた山野草を食べて身体を活性化させると言う、我々もそれにならい、この季節ならではの山菜を食べて大地のパワーを貰うとしよう。
山菜パーティーの主役の行者ニンニクはこの川の周りで採れたもので、中華鍋に入りきらない程山盛り用意されていた。親子三人で小一時間もあれば集められるのだそうだ。阿寒にはまだまだ豊かな自然が残っている。
持ってきた肉をたっぷりの行者ニンニクと一緒にひたすら焼いてはガツガツ食べる。採れたての山の幸をその場でいただくのだから、美味くない訳がない、自然にピッチは上がる。ついつい食べ過ぎてしまうが、今日だけは気にしないでおこう。
食べるのが一段落するとそれぞれが腹ごなしの遊びを始めだす。すぐ目の前を川の流れがあるのだ、フィールドには事欠かない。
釣った魚を焼いて食おうと竿の準備を始める者。子供達と一緒になって水面に石を投げ、何回水を切ったとはしゃぐ者。用意した薪に火をつけようと躍起になる者。皆たわいも無い事に夢中になっている。

空気が冷たくなり陽が傾く頃になると、自然とみんなが火の周りに集まり出す。ほどよく疲れた身体に焚き火の暖かさは心地よい。
しばらくはグラスを片手に、揺らめく炎を眺めながらリラックスした時間を楽しむとしよう。仲間と過ごした春の一日は、こうして暮れていく。

キャプション:
上 阿寒の瓦で、仲間たちと恒例の山菜パーティー
下 パーティーの主役ギョウジャニンニク