2月 142009
 

 

北海道新聞朝刊の連載コラム「朝の食卓」掲載

わずかな気温の変化が実は大きく環境に影響をあたえる事を、実体験を通して感じたことを綴っています。


「〇・一度の違い」 有明 正之

 この冬の釧路地方は雪が少なく、気温も例年より高めだ。おかげで戸外での仕事は随分と楽だった。
 わが家は、釧路市阿寒町のはずれの牧草地帯から、さらに二キロほど奥に入った小高い丘の上に建っている。山の中だけあって周辺の積雪は、下の牧草地よりも、だいぶ多い。

 牧草地とわが家の標高差は五十|六十メートル。標高が百㍍上がるごとに、気温は〇・六度下がるというから、気温差は〇・三度ぐらいだろう。地形や風向きの影響もあるだろうが、雪の量は十㌢も多い。わずか〇・三度での違いには驚く。

 昨今、毎日のように地球温暖化の話題を目にする。だが、「十年で平均気温が〇・何度上昇する」などと聞いても、どれほど環境に変化を及ぼすかを想像することは難しい。

 しかし、ゼロコンマ数度の温度差で積雪量が違うという、わが家での現実を目の当たりにすると、わずかな変化でも環境に与える影響の大きさを痛感する。

 環境問題を考える時、正しい知識を学ぶと同時に、時には自然の中に身を置き、五感で確認することが大切だと思う。

 自分の身体で感じた事実こそが、温暖化防止の行動に一歩を踏み出すきっかけを与えてくれるはずだから

(パイオニアラボ代表)・釧路


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