オオワシと銃声の関係

2013年4月7日

一昨日書いたオオワシと、昨日書いた銃声には、実は密接な関係がある。

魚類を主食とするオオワシは、本来沿岸部に生息しているのだが、このブログでも何度か取り上げたように、内陸山間部の阿寒の森でもひんぱんに見る事が出来る。

その理由は、ハンターの存在にある。

    +++++++++++++++

北海道では、エゾシカが増えすぎ、作物を食い荒らす農業被害が甚大になってきている。
   ↓

そのため害獣駆除として、エゾシカの狩猟が行われている。
   ↓

ハンターが射殺した後、エゾシカの死がいをそのまま山野に放置する事も多かった。
   ↓

放置された死がいは、オオワシなど猛禽類の絶好のエサになった。
   ↓

本来海岸に暮らすオオワシが、山間部にも多く飛渡来るようになった。

    +++++++++++++++

つまりハンターのおかげで、この阿寒の森でもオオワシが空を舞う優雅な姿を見ることが出来るのである。

ところが、大きな問題が持ち上がった。
オオワシを含む猛禽類の「鉛(なまり)中毒」である。

1995年頃から、放置されたエゾシカの死がいに残った鉛製の銃弾の破片を飲み込んだオオワシが、鉛中毒で死ぬ事例が数多く発生したのである。

オオワシの飛来数は、1500~2000羽ほどであるが、一時は年に十数羽~二十数羽の中毒死が確認されたらしい。
これは発見され、持ち込まれた死がいの数なので実際はもっと多かっただろうと容易に想像出来る。

このため、エゾシカ猟では2000年から、ヒグマ猟は2004から鉛弾の使用は禁止された。
その後しばらくは、隠れて鉛弾を使っていたハンターも多かったようだが、最近はどうなのだろうか?

またハンターが撃った死がいは必ず回収するように指導されている。

ここ数年は、オオワシの鉛中毒の話題がニュースで流れることはない。
対策の効果が出たのだろうか。

 
    +++++++++++++++

しかし毎年冬になると、わが家の上空を気持ちよさそうに飛ぶオオワシ達の姿をひんぱんに見ることが出来る。

今でも放置されたエゾシカの死がいを食べているのだろうか?

彼らの姿を見られる事はうれしいが、ちょっと複雑な気分である。


       オオワシ タカ科。
       翼開長2・4メートルに達する海ワシ。
       北海道レッドデータブックでは危険度が
       上から4番目の絶滅危ぐ種(絶滅の危機 
       にひんしている種または亜種)
       国際非政府組織(NGO)「バードライ
       フ・インターナショナル」の推計では、
       生息数は五千羽以下